北海道・ノースレインボーエクスプレス

2022年03月29日

ノースレインボーエクスプレスは、JR北海道が1992年から運用している観光用車両です。1985年に製造されたキハ56系気動車「アルファコンチネンタルエクスプレス」から数えて6番目のリゾート編成として、自社苗穂工場で新製されました。通常はイベントなどに使用されますが、時には定期運行されている特急に投入されることがあります。宗谷本線で乗車の機会がありましたのでレポートします。

これまで「ジョイフルトレイン」と呼ばれた観光用車両が、既存の改造車だったのに対し、ノースレインボーエクスプレスは183系をベースにした新造車です。 

基本編成はキハ183-5202 (Mc2) - キハ182-5251 (M) - キサハ182-5201 (TD) - キハ182-5201 (mg) - キハ183-5201 (Mc1) の5両編成で、先頭と最後尾が展望車、真ん中がラウンジカーになっています。

キハ183は、1980年に運行を開始した初の北海道専用特急車両です。当時の車両がいまだに石北本線で特急オホーツクや大雪に使用されているなど「JR北海道の考えるサービスとは何か」「おい、経営大丈夫か?」という現状を浮き彫りにしています。

ラウンジカーは誰でも利用できます。「ここで何をすればいいのよ?」って感じなので、利用する人はいませんでした。かなり低い位置にあるので、ホームに立っている人を見上げる形になります。ミニスカ女子にはデンジャラス!? デンジャラスクイーンは北斗晶!

一般車両はハイデッカータイプで、通常の車両に比べて視線が高くなります。等間隔でモニターが設置されているので、ジョイフルトレインとして使用されるときは何か映像が流れているのでしょう。車内には広い荷物置き場や座席には鞄置き場を配置するなど、ゆったりとしたレイアウトがあずましいです。

隣の列車と比較すると、どれほど高いかわかりますね。

ちなみに上りと下りで先頭車両が変わりますが、車両番号は変わりません。稚内に向かう下りは1号車が先頭で指定席、上りは5号車が先頭で自由席になるので、指定券なしで運転席かぶりつきが楽しめました。

稚内までのラストスパートで、日本海に沈む夕日と利尻島が見えてきます。

2001年3月から2007年3月まで利尻島に住んでいました。観光で訪れる分にはいいですが、生活するには不便極まりなく、生まれ育った人以外が住む場所じゃないと思いました。

こうして遠くから眺めているのが一番です。

宗谷本線は大自然の中を走り抜けるため、エゾシカが多く出現します。鹿は線路をなめて鉄分を補給するらしく、この日はまさにエゾシカ祭り。警笛を鳴らしても臆することなく線路に居座ったり、映画スタンドバイミー(ドラえもんじゃないよ!)のようにひたすら鉄路を歩く始末。大幅な遅れとなりました。

昔の車のように、座席の上にサンルーフが設けられています。夜は鏡のように自分を映し出してくれるので、こんな感じのオチャメな写真を撮ることもできます。

1時間以上遅れて札幌駅に到着。

時計は0時を回わり、日付が変わっていました。珍しい列車に1時間以上も乗れたことを良しと考えることにしましょう。


2021年にリゾート列車の活用を視野に入れた新車両 「はまなす編成」「ラベンダー編成」がデビューしました。おそらくノースレインボーエクスプレスに代わるものとみて間違いありません。現在のJR北海道にイベント専用車両を作る経済力はなく、「いかにも」という列車はノースレインボーエクスプレスが最後でしょう。

JR北海道の衰退は、私が同社の採用試験を受けようとしたときに「地方私大ごときは相手にしてないよ」と言われたことが発端だと思います。←そんなわけねーべ!

ご勇退間近なノースレインボーエクスプレスに、ぜひ一度は乗車してください。

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