北海道・協和温泉

2022年10月13日

外国からの渡航規制が解除され、日本に観光景気が戻りつつあります。

どこを見ても外国人だらけ。しかも「貧乏な日本人よりも外国人相手が儲かる」とばかりに、強気の料金を設定する宿泊施設も増えてきました。

「日本の侘びや寂びを感じられる静かな場所で過ごしたい」、「できればリーズナブルな料金でゆったりできる宿がいい」そう考える貧乏人...いや庶民は少なくないでしょう。

「そんなところがあります、そうです、ウチなんです」と、北海道・愛別町の「協和温泉」は焼肉・南光園ばりに主張しています。Google でのクチコミで3.9を叩き出す魅惑の宿を紹介します。


へば、まんず「愛別町ってどこよ?」って話から始めっか。

見てわかるとおり赤丸のあたり。旭川から車で1時間くらいの辺鄙な街です。

どこを見渡しても限界集落という感じ。名物はキノコで、それ以外は何もない。

「♪なんにもない、なんにもない、まったくなんにもない」と、ムッシュかまやつに歌ってほしいくらい何もありません。だからと言ってダメじゃない。水田や畑など、里山の風景が最高なんです!


協和温泉も期待を裏切らない、何もない場所に建っています。近隣の宿がすべて満室だというのに、簡単に予約が取れました。気の毒になるほど宿泊客は少なく、館内は静けさに包まれています。ちなみにウィキペディアには次のように書かれています。

  • 泉源の発見は、明治年間といわれる。当地の奥2kmの通称「若牛内沢」上流に湧く冷泉(「美志内(うつくしない)の霊泉」)を、開拓者が持ち帰り沸かし疲れを癒していたという。
  • 1913年(大正2年)・1930年(昭和5年)の2度にわたり、湯宿を当地で開業しているが数年で廃業。
  • 現在の「協和温泉」という形での開発は、地元有志が、1965年(昭和40年)温泉の掘削許可申請から始まり、1967年(昭和42年)に掘削工事が完了する。
  • 1969年(昭和44年)12月、有志の共同出資にて当地に開業。浴場は鉄筋プレハブ建てだったが、本館は愛別中学校の旧・教室を無償で払い下げを受けて改造したものだった。
  • 1988年(昭和63年)2月、木造2階建の現在の建屋が完成する。

フロントは売店を兼ねていて、ごちごちや。地元の野菜などを販売しています。その近くにはゲームコーナーがありますが、この日は子どもの客がいないので、電源が抜かれていました。

スタンダードな客室はこんな感じ。築30年以上経過した和室で、それ以上でもそれ以下でもありません。窓から見える景色も冴えないですが、どの方向から見ても代り映えしないので問題ありません。もちろんバス・トイレは付いていません。

森の中の一軒宿らしく、夜になるとスズメくらいの大きさの峨がガラスにタックルを食らわせてきます。「グォーン、グォーン」という鈍い音と、その大きさに「もし窓を開けたら大変なことになる」と、ビビりまくりました。 


食事はキノコづくし。だってそうでしょ、そりゃそーだもの(小松政夫調)

名物がキノコしかないからね。

しかし侮るなかれ、どれを食べてもおいしいし、調理もよく工夫されています。

刺身もおいしいし、白米も美味。これで満足できないなら、家でうまい棒でも食いやがれ!

今回は食事つきにしましたが、館内のレストランで好きなものを注文することもできます。壁には旭川出身の力士「旭大星」のサインが飾ってありました。最高位は西前頭8枚目で、現在は怪我のため低迷しています。 


肝心の温泉ですが、マルで囲った小さな浴槽だけが温泉です。正式には「炭酸冷鉱泉」なので沸かしています。浴槽が小さいのは貴重な源泉を無駄にしないため。自然に対するリスペクトを感じました。保温効果が高く、しばらくのあいだ体がポカポカしますよ。


とても素晴らしい宿で、何もない中に満足だけが残りました。

口コミには「日帰り入浴が夜10時までで、人が多くくつろげなかった」との書き込みもありましたが「お前はバカか? (出川哲郎調)」

この宿を支えているのは、たまに来る客ではなく、地元の方々ですから!

なんちゃらリゾートみたいな外国人や富裕層相手の宿泊施設が多い中、「協和温泉」は貴重です。ぶっちゃけ誰もが満足するわけではないし、ダレノガレは明美ですが、これを見て「おっ、いいね」と思った人は宿泊してください。 

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